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2026-08-10(2026-09-23 更新)

最低賃金2026はいくら・いつから?47都道府県の一覧と、「10月1日から」の誤解

2026年度(令和8年度)の最低賃金は、47都道府県すべての答申が出そろい、全国加重平均1,177円・引き上げ幅+56円になりました。上げ幅は54円から65円まで県によって差があり、発効日も10月1日から12月2日まで分かれています。この記事では、47都道府県の答申額と発効日の一覧、10月の給与計算で気をつける点、業務改善助成金の締切を整理します。

「10月1日から上がる」は、去年47県中1県だけでした

最低賃金の記事はどこも「10月1日から上がります」と書きます。これは去年の実績と違います。厚生労働省が公表した令和7年度の全国一覧で、47都道府県の発効日を数えました。

発効日の確定状況(答申が出た県から順次)

今年の答申では、10月1日に上がるのは15都府県、10月中に上がるのが合わせて37都道府県、11月が7県、12月が3県です。いちばん遅いのは沖縄県の12月2日で、10月1日との差は2か月あります。(2026年9月23日時点)

47都道府県の発効日を日付順で見る →
令和7年度の発効時期県数備考
10月1日ちょうど1県栃木県のみ
10月中(1日を含む)20県およそ4割
11月〜12月21県およそ4割
年を越して2026年1月以降6県最も遅いのは秋田県の令和8年3月31日

10月1日ちょうどに発効したのは栃木県の1県だけで、10月中に収まったのも20県です。21県は11月〜12月、6県は年を越しました。最も遅い秋田県は令和8年3月31日——次の年度が始まる前日です。

これは言葉づかいの問題ではありません。発効日は、業務改善助成金の申請期限に直結します。申請期限は「その県の最低賃金の発効日の前日」または11月30日のいずれか早い日で、発効が遅い県ほど期限も後ろにずれます。県ごとの実際の申請期限と、9月1日から使える日数を出しました。自分の県の発効日を知らないまま「10月1日まで」と思い込むと、使えたはずの期間を自分で縮めることになります。

47都道府県 一覧(令和8年度・答申額と発効日)

2026年9月23日に更新しました。47都道府県すべての答申が出そろっています。この表は、厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」の数字をそのまま並べたものです(金額の高い順)。

発効日は答申時点の予定です。正式には各都道府県労働局の決定と官報の公示で確定します。日付順で見たい場合は、47都道府県の発効日一覧にまとめています。

都道府県ランク改定前改定後(答申額)上げ幅発効日
東京都A1,226円1,280円+54円10月1日
神奈川県A1,225円1,279円+54円10月1日
大阪府A1,177円1,231円+54円10月1日
埼玉県A1,141円1,196円+55円10月1日
千葉県A1,140円1,195円+55円10月1日
愛知県A1,140円1,195円+55円10月1日
京都府B1,122円1,180円+58円11月16日
兵庫県B1,116円1,172円+56円10月1日
静岡県B1,097円1,154円+57円10月15日
三重県B1,087円1,143円+56円10月1日
広島県B1,085円1,141円+56円10月11日
茨城県B1,074円1,136円+62円10月18日
滋賀県B1,080円1,136円+56円10月3日
北海道B1,075円1,131円+56円10月1日
栃木県B1,068円1,125円+57円10月1日
岐阜県B1,065円1,121円+56円10月1日
群馬県B1,063円1,120円+57円10月3日
富山県B1,062円1,119円+57円10月1日
長野県B1,061円1,117円+56円10月2日
福岡県B1,057円1,114円+57円10月4日
石川県B1,054円1,113円+59円10月3日
山梨県B1,052円1,113円+61円11月1日
福井県B1,053円1,112円+59円10月4日
新潟県B1,050円1,108円+58円10月1日
奈良県B1,051円1,107円+56円10月4日
岡山県B1,047円1,104円+57円10月2日
徳島県B1,046円1,103円+57円11月1日
和歌山県B1,045円1,101円+56円10月3日
山口県B1,043円1,101円+58円10月8日
宮城県B1,038円1,098円+60円10月1日
大分県C1,035円1,096円+61円11月1日
佐賀県C1,030円1,095円+65円11月15日
福島県B1,033円1,094円+61円10月16日
愛媛県B1,033円1,093円+60円11月1日
山形県C1,032円1,092円+60円10月30日
島根県B1,033円1,092円+59円10月10日
香川県B1,036円1,092円+56円10月1日
熊本県C1,034円1,092円+58円12月1日
青森県C1,029円1,090円+61円10月29日
岩手県C1,031円1,090円+59円12月1日
秋田県C1,031円1,090円+59円10月14日
鳥取県C1,030円1,090円+60円10月3日
鹿児島県C1,026円1,090円+64円10月25日
長崎県C1,031円1,087円+56円11月2日
高知県C1,023円1,086円+63円10月29日
沖縄県C1,023円1,086円+63円12月2日
宮崎県C1,023円1,085円+62円10月24日

11月・12月に発効する県は色を変えています。同じ「今年の最低賃金」でも、上がる日には2か月の開きがあります。

業種を問わないお知らせ

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策が事業主の義務になります。 労働者を1人でも雇っていれば対象で、中小企業の猶予期間はありません(改正労働施策総合推進法)。 方針の策定・周知、相談窓口の設置、対応記録の整備などが求められます。

何をすればいいか、5つの措置に整理しました →

今年の特徴:地方の「目安超え」が広がっている

今年目立つのは、国の目安を上回る答申をする県が増えていることです。宮城+4円、新潟+2円、埼玉・千葉・愛知・栃木・岡山が+1円。人材の首都圏流出への危機感から、地方が目安以上の引き上げで賃金差を縮めにいく——昨年から続く構図がさらにはっきりしてきました。

人件費はどのくらい増えるのか(ざっくり試算)

時給が55円上がると、フルタイム1人あたり月にだいたい1万円弱の増加です(55円×8時間×22日=9,680円。社会保険料の事業主負担分を含めるともう少し増えます)。最低賃金近辺の時給でパート10人を雇っていれば、単純計算で年間100万円規模の負担増になります。しかも最低賃金は毎年上がり続けており、来年以降も同じペースが続く前提で考えておくのが現実的です。

対策の本命:業務改善助成金(9月1日受付開始)

この人件費増への国の支援策が業務改善助成金(厚生労働省)です。事業場内の最低賃金を引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資などを行う中小企業に、その費用の一部を助成する制度で、令和8年度は次の内容です。

対象になる「生産性向上の投資」は、機械設備だけでなく、POSや受発注システム、業務ソフトの導入といったITへの投資も含まれます。過去の活用事例では調理機器や券売機からITツールまで幅広く、車両の購入が対象になるかは要件が細かいため労働局への事前確認が確実です。「どうせ賃上げは避けられない。ならば、手作業を減らす投資と一緒にやって費用の大半を助成でまかなう」——これがこの制度の使い方です。

📋 無料配布:業務改善助成金2026 申請前チェックシート(A4・全4ページ)

「うちも対象になるのか」を5問で判定できるシートをお配りしています。逆算スケジュール、自社の数字を書き込む欄、そしてよくあるつまずき7つ(発効日「当日」の引上げは対象外、分割での引上げは不可、先に発注すると対象外 など)を収録。印刷して書き込みながら使えます。

無料でダウンロード → メールアドレスのみ・登録不要

雇う側の実務:10月の発効までにやる賃金チェック

助成金と並行して、すべての事業者に共通する実務が「自社の賃金が新しい最低賃金を下回らないか」の点検です。手順は次のとおりです。

なお、最低賃金を下回る賃金で働かせた場合、差額の支払い義務に加えて罰則の対象にもなります。「知らなかった」「据え置いたままだった」は通用しない領域なので、発効前の点検はカレンダーに入れて確実に実施してください。

全員ぶんの確認を1枚で済ませるなら、最低賃金チェック表(令和8年度・47都道府県入り)を用意しています(3,000円・Excel)。都道府県を選ぶと改定前後の額と発効日が入り、時給・日給・月給が混ざっていても、下回る人が赤く出ます。締め日が月末以外の会社は、発効日で区切る計算もあわせてご覧ください。

よくある誤解3つ

発効日までにやること3つ

10月1日に上がる15都府県では、業務改善助成金の締切が9月30日です。残りは1週間なので、次の順に整理してください。

②の「何を効率化するか」が決まらない場合は、当ブログの最初に自動化すべき業務の見つけ方とExcel台帳の限界サインが判断の物差しになります。また、10月には最低賃金のほかにもカスハラ対策義務化・インボイス経過措置の縮小など4つの制度変更が同時に動きます。あわせてご確認ください。

賃上げ分をどう吸収するか——3つの選択肢

最後に、増えた人件費の吸収策を整理します。選択肢は大きく3つで、多くの会社はこの組み合わせになります。

いずれにしても、最低賃金は来年以降も上がり続ける前提で置くべき数字です。毎年10月に慌てるより、「人件費は年5%前後ずつ上がる」を織り込んだ値付けと業務設計にしておくほうが、経営は楽になります。今年の答申状況は、その前提を数字で確認できる良い機会でもあります。

よくある質問

Q. 2026年度の最低賃金はいつから適用されますか?
県ごとに異なります。令和7年度は10月1日から翌年3月31日まで幅があり、10月中に発効したのは47県中20県でした。正確な発効日は労働局の公示で確定します。

Q. パート・アルバイトにも適用されますか?
適用されます。地域別最低賃金は雇用形態を問わず、その県で働くほぼすべての労働者が対象です。

Q. 業務改善助成金の締切はいつですか?
「その県の最低賃金発効日の前日」か「11月30日」の早い方です。発効日が早い県は締切も早まります。

Q. 答申と確定は何が違いますか?
答申は審議会が示した案で、異議申出手続きを経て労働局長が決定・公示して確定します。本記事の金額は答申段階のものです。

Q. 月給制の社員にも最低賃金は適用されますか?
適用されます。月給÷月平均所定労働時間で時給換算して比較します。通勤手当・家族手当・精皆勤手当・割増賃金・賞与は比較から除外する点に注意してください。

まとめ

2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円・+56円で確定し、47都道府県の答申が出そろいました。発効日は県ごとにばらばらで、10月1日に上がるのは15都府県、いちばん遅い沖縄県は12月2日です。雇う側にとっては毎年続く固定費の上昇ですが、賃上げと効率化投資をセットにすれば、業務改善助成金で費用の大半を支援してもらえる年でもあります。10月1日に上がる県の申請締切は9月30日です。

出典:厚生労働省 中央最低賃金審議会(令和8年度地域別最低賃金額改定の目安)/各都道府県労働局・報道各社の答申報道/厚生労働省 業務改善助成金。本記事は情報提供です。金額と発効日は答申段階のもので、正式には各都道府県労働局の決定と官報の公示で確定します。助成金の要件・金額は必ず厚生労働省の最新の公式情報でご確認ください。

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